■目次
はじめに
「オパール」と聞くとキラキラと色を変える高級な宝石というイメージが強いと思いますが、古代ローマや中世ヨーロッパでは御守りとして持たれていたり、古代アステカでは太陽神の象徴として崇められているパワーストーンでもあります。
そんなオパールは多くの明るいイメージのある宝石言葉や御守りとしての効果があると言われる一方、まつわる神話や石の持つ特性によって不幸を呼ぶという話まである、
「二面性」の強いパワーストーンとなっています。
ここではパワーストーンとしての効果や浄化方法等と共に、神話や曰く付きの話を紹介していきます。
オパールの特徴について
主に10月の誕生日の1つとして知られています。
オパールは見る角度や光の入り具合で色彩が変化する「遊色効果」がある事が有名です。
海外でも色彩がコロコロと変わる様子を「石の中で色が戯れている」と捉え「プレイ・オブ・カラー」と呼んでいます。
そして石の中の輝きを「オパールの火」と呼びます。
しかし、成因によってはこの遊色効果が薄い、あるいは無いオパールもあり、こちらはコモンオパールと呼ばれています。逆に遊色効果が強く出ている石はプレシャスオパールと呼ばれて区別されています。
硬度はサファイアやクォーツ(水晶)と比べて脆く、デリケートなため、他のパワーストーンにぶつかったり乱雑に扱ったりするとヒビが入ったり欠けてしまったりするので取り扱う際は注意が必要です。
主な原産国はオーストラリアで、地色が黒く、遊色効果が目立つブラックオパールが最も価値が高いとされています。メキシコで発掘される赤みが強く、別の石を思わせるファイヤー・オパールも人気があります。
オパールの名前の由来について
オパールはギリシャ語で「色彩の変化を見る」という意味の「opallios(オパリオス)」から来ているとされていますが、さらに起源を遡ると古代サンスクリット語で「宝、宝石」を意味する「upala[s」(ウパラ)」であると言われています。
名前の由来から、遥か古の時代からその美しさで宝物として愛され、とても大事にされていた事が分かります。
ちなみに中世ヨーロッパでは「ophthalmios(オフタルミオス)」と呼ばれており、「目」あるいは「目の石」という意味を指していました。
オパールの宝石言葉について
オパールには主に「希望」「忍耐」「歓喜」「幸運」「純真無垢」「真理」というメッセージがあります。
種類によって別の宝石言葉を持つものもあるので幾つか紹介したいと思います。
- ピンファイヤー・オパール…「正しい方向性」
- イエローオパール…「隠された本能」
- ホワイトオパール…「神の守護」
- ブラックオパール…「威嚇」
- ミルキーオパール…「ときめき」
- ウォーターオパール…「乙女心」
オパールの持つ効果について
パワーストーンとしてのオパールは、非常に明るくポジティブなパワーがあるとされており、見る角度で様々な色に変わるその輝きは自由を象徴しています。
持ち主すら知らなかった隠れた才能を開花させたり、創造性を高める効果があるとされています。
また、この石に秘められたポジティブで自由なパワーは、人間や仕事関係等のストレスによる憂鬱さを晴らしたり、簡単に人に流されたり縛られる事の無い「自分自身」を保つ事を助けたり、固定概念を取り去って新しいアイデアや価値観を呼び込むとも言われています。
とある地域では「呪い返し」の効果があるとされ、身に付けると自分にかけられた呪いを相手に返し、難を逃れる事ができるとされています。
宝石の中では唯一水分を含むためか、「アンチエイジング」や「みすみずしさ」等の効果や意味があります。
人によっては、オパールの持つポジティブなエネルギーは他のパワーストーンと比べてもトップクラスであるとまで言われる事もあります。
オパールにまつわる「おまじない」について
創造性やポジティブさを高め、若さの象徴でもあるオパールは、アンチエイジングや職人の御守りとして利用されている事があります。
アンチエイジングに
オパールを髪飾りに加工して身に付ける事で、白髪が生えたり増えたりするのを防ぐアンチエイジングの御守りにする地域が今でもあると言われています。
クリエイティブな作業に
細かい作業をする際に目の疲労を癒したり、創造性を高めるためにオパールを月桂樹の葉に包んで身に付けたり持ち歩いたとされています。
ハープ等を奏で英雄譚を謳う吟遊詩人や楽器の奏者もこの石を持ち歩いたと言われています。
ポジティブパワーで呪いを打ち消す
かつて古代ローマや中世ヨーロッパでは、見ただけで人を不幸にしたり死に至らせる「邪眼」による呪いを恐れており、邪眼を禁止する法律が作られる程でした。
そんな人々は目に関係のある石とされるオパールを身に付ける事で邪眼の呪いを打ち消したと言われています。
ちなみにこの邪眼、別名は「サリエルの目」と言われており、死の天使であるサリエルは見ただけで人間を不幸にしたり死に至らせる力があったと言われています。
今や堕天使として語られる存在ですが、礼儀正しく義理固い性格と伝えられており、
邪眼を恐れて交渉しに来た天使に対して「自身の名前を書いた護符を持った人間を見る事はしない(あるいは持った者はこの力を受けないので持たせるように)。」と返答した伝承があります。
オパールが無い家庭では邪眼から身を守るために護符を持つ事もあったようです。
恋愛の御守りにも
オパールは「キューピッド・ストーン」と呼ばれる事もあり、恋愛やロマンスの御守りとして身に付けられる事もあります。
また、コモン・オパールの1つであるピンクオパールやイエローオパールには恋愛運を引き寄せたり、女性らしさに磨きをかける力があると言われています。
オパールの浄化方法について
いくら強力でポジティブなパワーストーンでも、毎日の邪気払いや持ち主の応援で疲れたり、身代わりに悪い気を受けてしまって効果が薄くなってしまう事があります。なので献身的に守ってくれるパワーストーンを労い、休ませてあげる事がとても大切です。
流水による浄化の方法もありますが、オパールは種類によって水分を吸収し過ぎて色彩を失う物もあるため、水を使った浄化は避けた方が無難だと思います。
また、太陽光による浄化も強力ではありますが、長時間続くと内部の水分が蒸発して乾燥し、色合いが変わったりヒビ割れたりするのであまりオススメしません。
オパールに溜まった悪い気を浄化するには、クラスターという殆ど加工されていない、自然に生えたままの姿を切り出した水晶に立て掛けたり、さざれ石の上に置いて浄化します。
月が出ていて月光が差し込むような場所がご自宅にあれば、月光浴をします。1〜2時間程でお手軽に浄化ができます。
ホワイトセージを使った浄化方法はとてもポピュラーです。パワーストーンショップでは必ずと言っていい程取り扱っています。
ホワイトセージの葉を小皿に数枚取ってその上に置いておくだけでも浄化ができますが、セージの葉に火を着けて燻した煙に潜らせる方法もあります。
ホワイトセージで石だけを浄化したい場合は前者の方法でも可能ですが、後者の方法は燻した煙が広がった場所も浄化するため、石だけでなく部屋も浄化したい方向けです。
オパールにまつわる神話について
ファイヤー・オパールが捧げ物!強すぎる太陽神!
『メキシコ・アステカ神話』
オパールの原産国の1つであるメキシコが古代アステカ文明を築いていた頃のお話です。
古代アステカでは透明感があって燃えるように赤い「ファイヤー・オパール」が発掘されており、その遊色効果から、7色に輝く羽を持ち最も高貴な霊鳥として崇められたハチドリに見立てて「ハミングバード(ハチドリ)の石」と呼び、「太陽神の化身」として崇め、神殿に捧げて奉っていました。
この時代は「ウィツィロポチトリ」という神を太陽神として奉っていました。
ウィツィロポチトリはハチドリとも関係が深く、ハチドリの羽飾りを身に付けていたり、ハチドリ自体も天界にある「太陽の家」と呼ばれる場所で勇猛な戦士達が生まれ変わった姿だと考えられていました。
この神は太陽神以外にも狩猟の神、戦争の神としての一面があり、その神話や儀式も残酷なものが多いです。
月の神の弟として生まれた太陽神ですが、月の神であり女神でもある「コヨルシャウキ」は母神の懐妊を喜ぶどころか面目を潰されたと思い、多くの兄弟達と手を組んで母神もろとも太陽神を殺害しようとします。
ところが、月の神率いる一行が母神のいるコアテペック山に辿り着いた時には、既にウィツィロポチトリは完全武装した姿で生まれており、姉でもある月の神を炎の体を持つ蛇「シウコアトル(ナワトル語で「トルコ石の蛇」)」を用いて貫き、八つ裂きにするや否や兄弟の大半を滅ぼしてしまいました。
アステカの太陽信仰にはウィツィロポチトリ以外の太陽神でも人身御供が絶えず、祭壇には生け贄となった人々の心臓が捧げられ、戦争の勝利祈願や豊穣祈願、狩猟祈願の際にも度々このような儀式が行われていた事でも知られています。
ハチドリが象徴であるウィツィロポチトリはファイヤー・オパールが神殿に捧げられていましたが、同一神あるいは友として伝えられる、黒いジャガーが象徴で同じく戦争の神であり、太陽神を務めた事もある「テスカトリポカ」は「黒曜石(オブシディアン)」が神殿に捧げられています。
他にも現在のメキシコの首都、メキシコシティの場所にも関係のある神で、シャーマンがウィツィロポチトリから神託を受けたという神話があります。
シャーマンが捧げ物をし「首都をどこにすべきか」祈ったところ、「サボテンの上に蛇を咥えた鷲が立っている場所を探し、そこに首都を築くように」という神託を受け、長い年月をかけてさまよい、ようやくその場所を見つけたと神話では伝えられています。
その神話が元で、メキシコの国旗の中央には、蛇を咥えてサボテンの上に立つ雄々しい鷲の姿が描かれています。
何故に月桂樹とオパール?
『ギリシャ神話』
先ほど職人や吟遊詩人がオパールを月桂樹の葉でくるんだ物を御守りとして身に付けていたと紹介しましたが、どうやらオパールの才能開花や自由な発想を月桂樹の葉により強固にしてくれる神様がいたようです。
その神様とはオリュンポス12神の1柱、太陽神アポロンです。
そもそもアポロンは太陽だけを司っているわけではありません。最も美しい姿をしており、医学や狩猟、予言、芸術も司っています。
アポロンは黄金の戦車(馬車のような物)を駈り、自身も竪琴を奏でたり弓矢を持っています。月桂樹はアポロンのシンボルであり、悲しい恋物語が語られていますが、それと同時に永遠の愛を誓われた神樹です。
予言を司るようになったエピソードとして、アポロンは大蛇を退治したという話があります。
大地の神が生んだ大蛇・ピュートーンは、大地の神の神託所を守り、その神託を人々に授ける役目がありました。
ですがこの蛇は、仕事を気分でサボったり、せっかくの神託を自分の都合の良いようにねじまげて人々に伝えていました。
そんなある日、自分が矢に射られて命を落とすという予言を受けたピュートーンは、何とか死なないように色々と考えました。
その結果、その弓矢を放つ者を殺害すれば大丈夫という結果に行き着きアポロンを殺害しに行きます。この時のアポロンはまだ幼子であったと言われていますが、見事な一矢でピュートーンを討伐してしまいます。
こうしてアポロンは自分の神殿を建て、人々に神託を与える神になりました。
ポジティブなのにネガティブな噂!?
オパールにまつわる「裏話」について
数あるパワーストーンの中でもかなり強力なポジティブパワーと才能開花の効果があると言われているオパールですが、何やらいかがわしい事の御守りにも使われていたようです。
また、サブタイトルにもある通り、この石には「二面性」があり、不幸を呼ぶ石とも言われています。その理由を幾つか紹介したいと思います。
要らん事するな…:盗みのゲン担ぎ
目に関する石としても知られていますが、目を守るとは対照的に「目を曇らせる石」とも伝えられています。オパールを持った人は石の力によって姿がかき消され見えなくなるというのです。
そのため盗みを生業とする泥棒や盗賊達がオパールを仕事(盗み)が成功するゲン担ぎとして持っていた、という話があります。
確かに幸運を運んだり仕事に関わる効果があると言われていますが、その力をこんな事に発揮されても…といった感覚が拭えません。
怖すぎる…!石の材料は何と○○!?
北欧神話の初期の形態を伝える書記に「エッダ」という書物があります。ヴァイキングの時代に書かれたとされるこの書物には、多くの神々の物語や終末についてが記されているのですが、その中に神聖な石が登場しています。
その聖石の名前は「ヤルカ シュタイン」といい、ヴォルンドという鍛冶屋が作ったとされています。石を加工するという点では、この時代では鍛冶屋が一般的なので、たまたま材料の中からオパールが出てきても不思議ではないのですが、そこははっきりと明記されていません。
しかし恐ろしいのはこの石の作り方で、何と子ども達の目を石の材料にしていたと書かれているのです。
オパールが目に関する話のある石なだけに、前述した「目を曇らせる」という言い伝えは、目を奪われた子ども達によるイタズラだとしたらかなり恐ろしい話です。
濡れ衣かな?
オパールの遊色効果は様々な色や輝きを見せてくれるものの、その特徴が「ある事」の例えに使われた事でイメージを悪くしてしまっています。
それはシェイクスピアが書いた戯曲「十二夜」にて、登場人物である公爵の移り気をオパールの色彩に例えて皮肉ったため、「浮気性」のイメージが付いてしまいました。今でもオパールを「遊び人」や「浮気性」を意味する石として見ている人もいるようです。
オパールは恋愛運や魅力を上げる効果がある石とも言われますが、いくらロマンがあってもそっち方面に力を発揮して欲しくは無いですね。
気持ちに合わせて色を変える石の正体は…!?
この石が不幸の石、悪魔の石と呼ばれてしまう原因になった書物があります。著者の名前はサー・ウォルター・スコットといい、「Anne of Geierstein(ガイアスタインのアン)」という著書がその迷信を生み出してしまいました。
内容としては、物語の主人公レディー・ハイマイオニーはいつもオパールの髪飾りを着けていました。彼女の気持ちに合わせ、色とりどりの輝きを髪飾りは見せてくれます。
ある日、髪飾りに聖水を振りかけると、その美しい色彩がたちまち失われてしまいました。そして髪飾りの持ち主であるハイマイオニーも意識を失ってしまうのです。
ベッドに運ばれたハイマイオニーですが、翌日様子を確認しに行くと、彼女が寝かされていたはずのベッドの上には一塊の灰が残っていた、という物語です。
オパールの髪飾りの呪いとは書かれていませんが、「聖水をかけたら遊色が消えて、持ち主が不幸になった」という内容は、ヨーロッパの人々にとっては悪魔との関係を彷彿とさせるには充分過ぎました。
オパールは宝石の中では唯一水分を含むため、保存のために湿度まで気にする人もいるようですが、乾燥を恐れて水に浸けると遊色効果が消えてしまう事があるそうです。
持ち主も職人も大自然も!オパールのヤバすぎる話について
ポジティブな話、ネガティブな話どちらもオパールの特徴的な色彩や特性から来ていますが、オパールにはまだまだヤバい話があります。その中から3つ紹介したいと思います。
1. 住み慣れた街と宝物を天秤にかけた結果…
芸術品や歴史を感じさせる物はいつの時代も人の心を惹き付けるようで、遥か昔からそういった物が書物として遺されている事があります。
その1つに、古代ローマ時代の数多くの美術品や長きにわたる歴史を記した「博物誌」という著書があります。
この著者はプリニウスという方で、当時の博物学者です。この著書にはその当時存在したという飛んでもないオパールの美しさも書き記されています。
古代ローマ時代の元老院議官にノニウスという方がいました。彼は約6〜10cm程の大きさがある素晴らしいオパールを所有していたと記されています。そのオパールの価値は、現代で換算すると安くても数億円、高ければ数十億円もの価値があると言われる、まさに「至宝」そのものだったそうです。
この至宝を狙ったのが、ローマの将軍アントニウスです。彼は後ほどエジプトの女王クレオパトラと結婚するのですが、「世界三大美女」と讃えられる程妖艶で美しいクレオパトラに、当時究極の至宝とも言えるノニウス所有のオパールをプレゼントするため、何度もノニウスに譲ってくれるように頼み込みます。
ですが、何度頼み込んでもノニウスの返答は「ノー」。
「どんな相手であっても絶対に譲らない!」と断固拒否されてしまいます。
全然折れないノニウスに怒ったアントニウスは「そのオパールを渡さないなら、お前をこの街から追放するぞ!」と迫りました。しかし、当のノニウスはオパールを持ってあっさりと街を出ていってしまったのです。
大袈裟な感じがしますが、博物誌では、このオパールについて「他の宝石の性質を全て併せ持っており、それらはどの宝石よりも優れている」と大絶賛しています。それだけ当時からオパールの価値は高く、貴重な石と見なされていたのです。
ちなみにクレオパトラですが、美貌を保つ秘薬として葡萄酒に真珠入れてを飲んでいたとも言われており、特に好んでいたとされるエメラルドはサングラスに加工されていたそうです。
2. ??「何かボク、輝いてない?」
動植物の化石が自然の中で長い時間をかけてオパール化する現象があります。これはケイ酸を成分として含んだ地下水が化石に少しずつ染み込んでいき、有機物がケイ酸部に徐々に置き換わっていった結果起きる現象です。
中には「ウッドオパール」という物がありますが、こちらは木の化石がオパール化した代物です。
時は1987年、オーストラリアでプリオサウルスという約2m程の大きさの恐竜の化石が見つかりました。
ほぼ全身が揃っているだけでも珍しいのに、その化石は長い年月の中で、オパール化しているという世界的にも類を見ない存在です。
この大変希少で珍しい化石はシドニーの博物館で大切に保管され、「エリック」と名付けられファンの間で親しまれています。
3. 本当に命がかかってます
オパールは美しさや石の持つ「幸運を運ぶ」という言い伝えから、貴人や王族からも愛されている非常に価値の高い石でした。しかし、硬度が低くいだけでなく、乾燥したり、ちょっとぶつけただけで簡単にヒビ割れてしまうため当時の職人からは忌み嫌われていました。
宝石加工での事故は宝石職人が負担しなければならないだけでなく、依頼人の殆どが王族か貴族であるため、失敗すれば問答無用で職人人生どころか人生そのものが終わってしまうという、当時の職人にとってオパールの加工は「死の宣告」と言っても過言ではない難易度だったのです。
有名な話では、ルイ6世はとても素晴らしいオパールを所有しており、その加工をとある宝石職人に依頼しました。
どのようなオパールだったのかは詳細な話がありませんが、非常に高品質で遊色効果が強く出ている美しい代物であったと推測できます。
そんな飛んでもない逸品の加工を任された職人は相当緊張してしまったのではないでしょうか?誤ってそのオパールを割ってしまったというのです。
これに激怒したルイ6世は、その職人の腕を切り落としてしまったのです。
こんな逸話も!幸運と守護を願う石
古代ローマ時代から時は進み、神聖ローマ時代。その王冠にはとても見事なオパールがはめ込まれていたと伝えられています。これは、オパールには「王の名誉を守護する力がある」と信じられていたためです。
ホワイトオパールのメッセージには「神の守護」という意味が込められているので強ち間違ってはいなさそうです。
また、ローマ時代から持ち主に幸運や奇跡を運ぶ石としてとても大切にされており、特にイギリスのヴィクトリア女王はオパールをこよなく愛していたという記述があります。
彼女は自分の子ども達の結婚式の際に、それぞれ高品質の見事なオパールをお祝いの品としてプレゼントしています。自分の元を離れる我が子の幸せがずっと続くようにという祈りも込めていたようです。
まとめ
今回は遊色効果が有名で宝石として知られるパワーストーン、オパールについてご紹介いたしました。
オパールはちょっと脆い一面はあるものの、持ち主に自由な発想や創造力を与え、知らぬ間に抑え込んでいた自分自身を解放する手助けをしてくれる、まさに自由と希望に満ち溢れたポジティブなパワーストーンです。
神話につきましても、かなりパワフルな神様の化身として神聖化されている事から、オパールの持つ様々な色彩の輝きを見せてくれる特徴は、古代の人々の心に神秘と畏怖を与えたに違いありません。
数々の裏話も他の石にはない遊色効果という特徴的な輝きから来ている事は言うまでもないと思います。
その美しさから他者から奪われそうになったり、命の危機にさらされたりと色々な逸話を世に残してきたオパールですが、それだけ多くの権力者達に重宝され、愛されていきた石なのです。また、古くは現代と違って宝石としてだけでなく、パワーストーンとしての意味や効果を信じて大切にしていた事も分かります。
もし皆様も人間関係や仕事で行き詰まり、自分の意思や考えが不明瞭になって押し潰されそうになったらポジティブ抜群のオパールに助けを求めてみてはいかがでしょうか?
最初は何も思わなくても、少しずつ自分の意思や、やりたい事が明白になってくるはずです。そして今まで自分でも気付かなかった才能と出会い、より有意義でクリエイティブな日々をオパールはサポートしてくれるはずです。