水槽をのぞいたら、メダカが底のほうでじっと動かず、なんだか元気がない——。いつもなら水面近くをスイスイ泳いでいるのに、底に沈んだまま動かないと心配になりますよね。結論から先にお伝えすると、メダカが底でじっとする原因でいちばん多いのは「水温が低くて活性が落ちているだけ(正常な範囲)」。次いで水質の悪化、そして病気の初期・老化や寿命・産卵後の消耗と続きます。つまり「底でじっと=即・危険」とは限らず、まず正常か異常かを切り分けることがいちばんの近道です。この記事では、原因の見分け方から今すぐできる対処、いつ様子見でいつ隔離するかまでを、落ち着いて進められる順にまとめました。
・底でじっとする原因で最多は「低水温による活性低下」。冬・朝晩・水温15℃以下なら正常なことが多い
・まず確認するのは「水温」と「餌への反応」の2点。水温が低いだけなら様子見でOK
・水温が十分なのに動かない・餌に無反応・他の症状があるなら、水質チェック→換水→必要なら隔離・塩浴



- メダカが底でじっとして動かない原因(正常・危険の切り分け)
- 「正常か異常か」を見分けるチェックリストと早見表
- 餌への反応で元気度をはかる方法
- 今すぐできる対処(水温・水質チェック→保温・換水)
- 病気サインがあるときの見分け方と、いつ隔離するかの判断
■目次
- まず確認:その「底でじっと」、いつ・どんなときに起きていますか?
- 原因①:低水温による活性低下(底でじっとする最多の原因・多くは正常)
- 原因②:水温・水質の急変ショック(水換え・引っ越しの直後なら)
- 原因③:水質悪化(水温は十分なのに動かない・餌に無反応なら)
- 原因④:病気の初期・寄生虫(他の症状を伴うなら)
- 原因⑤:老化・寿命・産卵後の消耗(特定の1匹がだんだん底に)
- 餌への反応で「元気度」をはかる
- 今すぐできる対処ステップ
- いつ様子見・いつ隔離する?判断のものさし
- メダカが底でじっとして動かないときのよくある質問(FAQ)
- 暮らしに役立つおすすめアイテム
- まとめ:底でじっとしたら「水温」と「餌への反応」から切り分ける
まず確認:その「底でじっと」、いつ・どんなときに起きていますか?

原因を効率よく絞り込むコツは、症状そのものより「タイミングと状況」から逆算することです。メダカが底でじっとしているのが寒い時期や朝晩なら、まず疑うのは病気ではなく低水温による活性低下(正常)。一方、水温が十分あたたかいのに動かない・餌に反応しない・他の症状もあるなら、水質悪化・病気・老化などの可能性が上がります。同じ「底でじっと」でも、原因が違えば打つ手も変わるので、まず次の表で大まかに当たりをつけてください。


| こんな状況 | 疑われる原因 | まずやること |
|---|---|---|
| 水温が低い(15℃以下)・冬・朝晩に底でじっと | 低水温による活性低下(多くは正常) | 水温を測る。日中あたたかくなれば動くか観察。餌は控えめに |
| 水換え・引っ越しの直後に底でじっと | 水質・水温の急変ショック | エアレーション。元の水を足して環境差を縮める。落ち着くか観察 |
| 水温は十分なのに動かない・餌に無反応。掃除をサボっていた | 水質悪化(アンモニア・亜硝酸の蓄積) | 時間をかけて1/3換水。以後こまめに少量ずつ換水 |
| ヒレを畳む・体が白っぽい・充血・体をこするなどのサインを伴う | 病気の初期・寄生虫の可能性 | 隔離して0.5%塩浴。サインに合った治療記事を確認 |
| 特定の1匹だけ・高齢個体がだんだん底にいる時間が増えた | 老化・寿命・産卵後の消耗 | 水流を弱め静かな環境に。消化のよい餌を少量。無理させない |
あくまで「当たりをつける」ための早見表です。原因が重なっていることもあるので、心当たりが複数あるなら、まずは水温を測ることから始めてください。それぞれの原因と対処は次の章から1つずつ見ていきます。ほかの症状とあわせて見分けたいときはメダカの症状辞典ハブもあわせてどうぞ。


正常か異常かを見分ける「観察チェックリスト」
「これって心配したほうがいいの?それとも様子見でいいの?」——その判断を助けるために、メダカを5分ほどじっくり観察して、次の項目に当てはまるかチェックしてみてください。「異常を疑う」側に当てはまる数が多いほど、対処が必要な可能性が高くなります。
- 水温は何℃か → 15℃以下なら底でじっとは自然。20℃以上なのに動かないなら異常を疑う
- 餌を落としたら反応するか → 寄ってくる・口を動かすなら元気は残っている。完全に無反応なら要注意
- ヒレを畳んでいないか(パタッとたたんでいる) → 畳みっぱなしは弱り・病気初期のサインのことがある
- 体の色がいつもより薄い・白っぽくないか → 退色はストレス・環境・栄養・病気など複数の可能性
- 体表やヒレに白い点・モヤ・充血・できものがないか → あれば病気が進行中の可能性
- 体や底・水草に体をこすりつけていないか → こすりつけ(フラッシング)は寄生虫の初期サインのことがある
- 呼吸(エラの動き)が速すぎないか・水面でパクパクしていないか → 速い呼吸や鼻上げは水質悪化・酸欠・エラの不調を疑う
- 底にいるのは1匹だけか、複数匹か → 複数なら水そのもの(水温・水質)の問題を強く疑う
- 最近、水換え・引っ越し・産卵・掃除サボりなど環境の変化がなかったか → あればその影響を最優先で疑う
このチェックは、後ほどショップや詳しい人に相談するときの説明材料にもなります。「水温・餌への反応・他の症状の有無・何匹か・最近の変化」をメモしておくと、原因の特定がぐっとスムーズになります。


原因①:低水温による活性低下(底でじっとする最多の原因・多くは正常)

寒い時期や朝晩に底でじっとしているなら、まず疑うのはこれです。メダカは変温動物で、水温が下がると体の働きそのものがゆっくりになり、活動量が落ちます。底のほうは水温が比較的安定しているため、寒いと底に集まってじっと省エネするのは、むしろ自然な行動なのです。


水温の目安:何℃から動きが鈍るのか
メダカが活発に泳いで餌をよく食べるのは、おおよそ20〜28℃の範囲です。水温が15℃を下回ると動きがゆっくりになり、底でじっとする時間が増えます。さらに10℃以下になると、ほとんど動かず餌もほぼ食べなくなり、冬眠に近い状態になります。これは病気ではなく、寒さに合わせた正常な省エネ反応です。次の表で、水温ごとのおおよその様子をまとめました(個体差・環境差があるので目安として見てください)。
| 水温の目安 | メダカのおおよその様子 | 餌・対応 |
|---|---|---|
| 20〜28℃ | 活発に泳ぐ・よく食べる(適温) | 通常どおり1日1〜2回、食べ切れる量を |
| 15〜20℃ | やや動きが鈍る・底にいる時間が増える | 餌は少なめ。食べ残しに注意 |
| 10〜15℃ | 底でじっとする時間が大半・あまり食べない | 餌はぐっと控える。数日に1回・ごく少量で可 |
| 10℃以下 | ほぼ動かない・冬眠に近い(正常) | 基本は絶食。無理に起こさない・触らない |
つまり、水温が低い時期に底でじっとしているのは、ほとんどの場合「正常」です。心配なのは、水温が20℃以上あって動きが活発であるはずなのに、底から動かない・餌にも反応しないケース。この場合は次章以降の水質・病気・老化を疑っていきます。


冬の底でじっとは「冬眠」かもしれない
屋外飼育で冬を越す場合、メダカは水温が下がると底でじっと固まって冬眠に近い状態になります。このときに「動かないから」と心配して無理に餌をやったり、水をかき混ぜたり、容器を移動させたりするのは逆効果。冬眠中のメダカは消化機能も落ちているため、餌は食べ残して水を汚す原因になりますし、刺激は体力を消耗させます。冬はそっとしておくのがいちばんの世話です。越冬の詳しい注意点は飼育全体の管理ともつながるので、判断に迷ったら基本に立ち返って確認してみてください。

原因②:水温・水質の急変ショック(水換え・引っ越しの直後なら)

水換えや容器の引っ越しの直後から底でじっと動かなくなったなら、環境の急変によるショックを疑います。メダカはとても丈夫な魚ですが、環境が「急に」変わることには弱いという弱点があります。水温やpH(水の性質)が一気に変わると、平衡を保つのに体力を使い、底でじっとしてやり過ごそうとすることがあります。


水温差ショック:足した水が冷たすぎ・ぬるすぎ
飼育水と足す水の温度が3〜4℃以上違うと、それだけでショックの原因になります。特に冬場や、夏に冷たい水道水をそのまま足したケースで起きがちです。足し水は飼育水と同じくらいの温度に合わせるのが基本。難しければ少量ずつ時間をかけて入れて差を縮めます。すでに底でじっとしてしまっている場合は、慌てずエアレーションをして酸素を送り、元の水を少しずつ足して環境差を縮めると落ち着くことが多いです。

pHショック・カルキ:新旧の水が違いすぎる/カルキを抜き忘れた
長く維持した飼育水は弱酸性に傾いていることが多く、そこへ性質の違う新しい水を大量に入れると、急なpHの差(pHショック)で平衡を崩します。また、水道水のカルキ(塩素)を抜かずに使うとエラを傷つけ、元気をなくす原因になります。対策はシンプルで、一度に換える量を全体の3分の1までにとどめる・水温を合わせる・必ずカルキ抜きをすること。「週に1回ドカッと半分」より「2〜3日に1回ちょっとずつ」のほうが、メダカにはずっとやさしいのです。
ショックが疑われるときに「もっときれいな水にしよう」と全換水するのは逆効果。水質・水温・バクテリアが一度に激変し、ショックを上塗りしてしまいます。換えるなら半分まで・時間をかけて・同じ水温・カルキ抜き済みが鉄則です。


原因③:水質悪化(水温は十分なのに動かない・餌に無反応なら)

水温は十分あたたかいのに底でじっとして元気がなく、最近掃除や水換えをサボっていた・餌をやりすぎていた心当たりがあるなら、水質の悪化を疑います。フンや食べ残しが分解されるとアンモニアや亜硝酸といった毒がたまり、これが少しずつメダカを弱らせて、底でじっとさせたり餌への反応を鈍らせたりします。目に見えにくいぶん、見落とされがちな原因です。


水質悪化が疑われるサイン
次のようなサインがそろうと、水質悪化の可能性が高まります。複数当てはまるなら、まず水を整えることを優先しましょう。
- 水換えを2週間以上していない/立ち上げ直後(1〜2週間)でバクテリアが育っていない
- 餌を食べ切れない量あげていて、底に食べ残しが沈んでいる
- 過密飼育(小さな容器にたくさん)になっている
- 呼吸が速い・水面で口をパクパクする個体が複数いる
- 水のにおいがツンとする・油膜が張っている・コケが急に増えた
水温を測る・水質をチェックする
原因の切り分けには、まず水温を正確に測ることが欠かせません。「あたたかいつもり」で実は16℃しかなかった、という思い込みは意外とよくあります。水温計があれば一目で分かり、「低水温なだけ(正常)」か「あたたかいのに動かない(要対処)」かをすぐ判断できます。水質が気になる場合は、市販の試験紙でアンモニアや亜硝酸をざっくり把握する方法もありますが、まずは水温計1本から揃えておくと、症状の切り分けがぐっとラクになります。
「水温なんて手で触れば分かる」と思いがちですが、3〜4℃の差は手の感覚ではまず分かりません。その数℃が、メダカの活性を左右します。1本置いておくだけで、「これは正常」「これは異常」を毎回ブレずに判断できるようになります。


水質悪化の対処:時間をかけて1/3換水
水質悪化が疑われるときの基本は、悪い水を「薄める」ことです。ただし慌てて全換水するとショックが重なるので、1回につき全体の3分の1まで・カルキを抜いた同じ温度の水で・ゆっくりが鉄則。これを2〜3日おきに数回くり返すと、水質が無理なく整っていきます。あわせて底に沈んだ食べ残しやフンをスポイトで吸い出す・餌の量を見直すと、再発防止になります。日常の管理を一度見直したいときは、症状辞典ハブから関連する症状記事もたどってみてください。

原因④:病気の初期・寄生虫(他の症状を伴うなら)

底でじっとするのに加えて、ヒレを畳む・体の色が薄い・白い点やモヤ・充血・体をこすりつけるといったサインを伴う場合は、病気の初期や寄生虫を疑います。元気がないだけでなく「いつもと見た目が違う」点があるかどうかが、見分けの分かれ目です。


ヒレを畳む:弱り・病気初期の可能性
メダカがヒレをパタッと畳んだまま底でじっとしているのは、調子が落ちているサインのことがあります。元気なメダカはヒレを開いて泳ぎますが、体調が悪いとヒレを縮めて消耗を抑えようとします。これだけで病気と断定はできませんが、他のサインも併せて確認し、当てはまるものが増えるなら早めの対処を考えましょう。ヒレを畳む症状をくわしく知りたいときはメダカがヒレをたたむ原因と対処法もあわせてどうぞ。
体の色が薄い・白っぽい:複数の可能性がある
底でじっとしていて体の色がいつもより薄い・白っぽい場合、原因は一つではありません。ストレス・底床や背景の色・光・栄養不足・老化・病気など複数の可能性があり、退色だけで原因を断定はできません。環境の変化に心当たりがあるかを確認しつつ、他のサインも見ていきましょう。退色そのものについてはメダカの色が薄くなる・退色する原因でくわしく切り分けています。
体をこすりつける・白い点:白点病など寄生虫の初期サイン
底でじっとする合間に体や底・水草に体をこすりつける(フラッシング)動きがあったり、体表やヒレに0.5mmほどの白い点が見えたりするなら、白点病をはじめとする寄生虫の初期サインの可能性があります。かゆみや違和感から、落ち着きなく底にいたりこすりつけたりします。白点病は早期対応で治しやすい病気なので、サインに気づいたらメダカの白点病の治し方を確認し、早めに対処してください。
病気のサインを見つけても、いきなり強い薬を規定量超で入れるのはNG。まずは病魚を隔離して0.5%塩浴で体力を支え、症状に合った治療を確認するのが安全な順番です。薬は製品の規定量・規定期間を必ず守りましょう。



どの病気か当たりをつけたいときは、症状から一覧で探せるメダカの病気の見分け方(病気ハブ)が便利です。サインと病名を照らし合わせて、該当する治療記事へ進んでください。
原因⑤:老化・寿命・産卵後の消耗(特定の1匹がだんだん底に)

水温も水質も問題なく、病気のサインもないのに、特定の1匹だけがだんだん底にいる時間が増えてきた——。そんなときは、老化や寿命、産卵後の消耗が背景にあることがあります。判断が難しい領域なので、慎重に見ていきましょう。


老化・寿命のサイン
メダカの寿命は飼育環境にもよりますが、おおよそ1〜3年とされます。高齢になると泳ぐ時間が減り、底にいることが増え、餌への反応も鈍くなるのは自然な変化です。背骨が曲がってきたり、体つきが痩せてきたりすることもあります。老化そのものを止めることはできませんが、水流を弱めて消耗を抑え、静かな環境で水質を整え、食べられるなら消化のよい餌を少量——この「環境を最大限ラクにしてあげる」ことが、高齢個体への現実的な対応です。
産卵後の消耗
メスは産卵に多くの体力を使うため、産卵シーズン(春〜夏)にたくさん卵を産んだあと、一時的に消耗して底でじっとすることがあります。これは病気というより体力切れに近い状態です。栄養価の高い餌を少量ずつ与え、静かな環境で休ませることで、回復することが多いです。痩せが目立つようなら、栄養面の見直しもあわせて考えましょう。痩せの原因と対処はメダカが痩せる原因と対処法に、餌の選び方はメダカの餌 完全ガイドにまとめています。


餌への反応で「元気度」をはかる

底でじっとしているメダカが「どれくらい弱っているのか」を知るいちばん手軽な方法が、餌への反応を見ることです。動かなくても食欲が残っていれば、まだ余力がある証拠。逆に何をしても無反応なら、より丁寧なケアが必要なサインです。


| 餌への反応 | 元気度の目安 | 対応の方向性 |
|---|---|---|
| 寄ってきて食べる | 元気は十分残っている | 水温が低いだけの可能性大。様子見でOK |
| 口は動かすが食べきれない・少しだけ | やや弱っている/低活性 | 水温・水質を確認。餌は少量に絞る |
| 完全に無反応・近づいても逃げない | 弱りが進んでいる可能性 | 他の症状を確認。必要なら隔離・塩浴を検討 |
ただし水温が低い時期(15℃以下)は、元気でも餌に反応しないのが普通です。この場合の無反応は「弱り」ではなく「省エネ」なので、餌をやらずにそっとしておくのが正解。「あたたかいのに餌に無反応」なら要注意、「寒くて無反応」なら正常、と水温とセットで判断してください。


「餌をまったく食べない」状態が続くときは、それ自体を掘り下げたメダカが餌を食べない原因と対処法もあわせて確認すると、切り分けがさらにはっきりします。
今すぐできる対処ステップ

原因がはっきり一つに絞れなくても、順番に進めれば多くの状況で安全側に倒せる対処があります。次の順番で進めてください。


ステップ1:まず水温を測って「正常か異常か」を判断する
最初にやるのは水温の確認です。15℃以下で底にじっとしているなら、多くは正常な活性低下。日中あたたかくなって動き出すか、餌に反応するかを観察し、問題なければそっと様子見でOKです。20℃以上あるのに動かない・餌に無反応なら、次のステップへ進みます。
ステップ2:水質を整える(ゆっくり1/3換水)
水温が十分なのに元気がないなら、水質を疑ってゆっくり1/3だけ換水します。ポイントは「3分の1まで・ゆっくり・同じ水温・カルキ抜き済み」。一度に全部換えず、底の食べ残しやフンも吸い出します。水換えの直後にショックが疑われる場合は、逆にエアレーションをして元の水を足し、環境差を縮めることを優先してください。
ステップ3:水温が低いなら、ゆっくり保温する
寒さで弱っている・季節外れの冷え込みで急に動かなくなった、という場合は、水温をゆっくり上げて活性を戻すのも有効です。ただし一気に上げるのは厳禁。1日2〜3℃ずつを目安に、ヒーターやサーモスタットを使って段階的に適温(20〜25℃前後)へ近づけます。屋内飼育で水温が安定しない季節は、ヒーターを1台入れておくと、こうした「急な冷え込みで底でじっと」を予防できます。屋外でしっかり冬眠させている個体を無理に温める必要はないので、飼育スタイルに合わせて使い分けてください。
保温するなら1日2〜3℃ずつ・ゆっくり。急加温は逆にショックの原因になります。サーモスタット付きのヒーターなら設定温度を保ってくれるので、温めすぎ・冷やしすぎの失敗を防げます。


ステップ4:体力を底上げする0.5%塩浴
病気のサインがある・明らかに弱っている個体には、0.5%(水1リットルに塩5g)の塩浴が体力のサポートになります。塩水はメダカが体内の塩分濃度を保つために使うエネルギーを節約させ、弱った体の負担を軽くして回復を後押しします。寄生虫やエラの不調にもある程度有効で、まさに「迷ったらこれ」の万能サポート。本水槽全体ではなく、別容器に病魚を隔離して塩浴させるのが基本です。塩は少量ずつ溶かし、急に濃度を上げないようにします。
使う塩は添加物(うま味調味料など)の入っていない天然塩か、アクアリウム用の調整塩が安心です。塩浴の期間は長くても1週間程度を目安にし、改善が見られたら少しずつ真水に戻していきます。病気が疑わしいときは、症状に合った治療を病気ハブで確認しながら進めてください。


いつ様子見・いつ隔離する?判断のものさし

「このまま見守っていいの?それとも別の容器に分けたほうがいいの?」——この判断に迷う人はとても多いです。基本の考え方を整理しておきます。


| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 水温が低いだけ・餌に多少反応する・他の症状なし | 様子見。あたたかい時間帯に動くか観察。餌は控えめ |
| 水換え直後のショックが疑わしい | 本水槽でケア。エアレーション+元の水を足して落ち着くか観察 |
| 白い点・体をこする・充血などうつる病気が疑わしい | すぐ隔離。別容器で塩浴し、本水槽への広がりを防ぐ |
| 1匹だけ極端に弱っている・他の魚につつかれる | 隔離して休ませる。静かな環境で体力温存 |
| 高齢個体がゆっくり底にいる時間が増えた(他は健康) | 無理に隔離しない。水流を弱め静かな環境を整える |
隔離するときも、いきなり別の水にドボンと移すのはショックになります。本水槽の水を使って隔離容器を用意し、水温を合わせて移してあげてください。そして応急処置をしても2〜3日たって悪化している・他のメダカにも同じ症状が広がってきた場合は、寄生虫や細菌性の病気が進行している可能性があります。そのときは症状に合った魚病薬の使用を検討する段階です。判断に迷うときは、症状の写真や動画を持って、観賞魚を扱うショップに相談するのも有効な手段です。


メダカが底でじっとして動かないときのよくある質問(FAQ)

Q1. 底でじっとして動かないのは病気ですか?
A. 必ずしも病気とは限りません。いちばん多いのは「水温が低くて活性が落ちているだけ」の正常な状態です。まず水温を測り、15℃以下なら様子見でOK。20℃以上あるのに動かず、ヒレを畳む・白い点・色が薄いといった他のサインがそろうときに、病気や水質悪化を疑います。詳しくは病気の見分け方を参照してください。
Q2. 朝だけ底でじっとしているのは大丈夫ですか?
A. 多くの場合は問題ありません。朝晩は水温が下がるため、底でじっとして省エネしているだけのことがほとんどです。日中あたたかくなって泳ぎ出し、餌にも反応するなら正常。「一日中まったく動かない・あたたかくなっても底から動かない」場合に、はじめて他の原因を疑います。
Q3. 餌を食べないのに底でじっとしています。どうすれば?
A. まず水温を確認してください。15℃以下なら、餌を食べないのは正常な省エネ反応なので、餌は与えずそっとしておきます。水温が十分あるのに食べないなら、水質悪化や病気の可能性があるので、ゆっくり1/3換水で水を整え、他の症状をチェック。長く続くなら餌を食べない原因もあわせて確認を。
Q4. 1匹だけ底でじっとしているのと、全部じっとしているのは違いますか?
A. 大きく違います。全部が同じように底でじっとなら、水温や水質など水そのものの問題(多くは低水温=正常、または水質悪化)を疑います。1匹だけなら、その個体固有の問題(病気・老化・産卵後の消耗・けが)の可能性が高く、他のサインを確認して、必要なら隔離して様子を見ます。「何匹か」は原因を絞る重要なヒントです。
Q5. 水温は何℃くらいに保てばいいですか?
A. メダカが活発に過ごせる適温は20〜28℃です。屋内でヒーターを使うなら20〜25℃前後に設定すると安定します。ただし屋外で冬眠させている個体を無理に温める必要はありません。大切なのは温度の数値そのものより急に変えないこと。保温するときも1日2〜3℃ずつ、ゆっくり上げてください。
Q6. 元気がないとき、餌はあげたほうがいいですか?
A. 状態によります。水温が十分あって、口を動かして食べられるなら少量を。ただし水温が低い・明らかに弱っている・水質が悪化している場合は、いったん絶食が無難です。食べ残しは水を汚し、消化に体力を使わせてしまいます。健康な成魚なら数日の絶食は問題ないので、まずは水と水温を立て直すことを優先しましょう。
Q7. 老化で底にいる場合、できることはありますか?
A. あります。老化そのものは止められませんが、水流を弱めて消耗を抑え、静かな環境で水質を整え、食べられるなら消化のよい餌を少量与えることで、本人の負担をぐっと軽くできます。他の魚につつかれて消耗しているようなら、隔離して静かに休ませるのも一つの手です。痩せが目立つなら痩せる原因もあわせて確認を。
Q8. 隠れて出てこないのと、底でじっとしているのは同じですか?
A. 近いようで少し違います。水草や物陰に隠れて出てこないのは、ストレスや警戒・体調不良など別の切り口での見分けが必要です。底でじっとが「開けた場所で動かない」のに対し、隠れる行動は「身を隠したい」サイン。両方が混じることもあるので、気になる場合はメダカが隠れて出てこない原因もあわせて確認してください。


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まとめ:底でじっとしたら「水温」と「餌への反応」から切り分ける

最後に要点をまとめます。
- 底でじっとする原因で最多は「低水温による活性低下」。冬・朝晩・15℃以下なら多くは正常
- まず確認するのは「水温」と「餌への反応」の2点。寒くてじっと=OK、あたたかいのにじっと=要チェック
- 水温が十分なのに動かない・餌に無反応なら水質悪化を疑い、ゆっくり1/3換水
- ヒレを畳む・白い点・色が薄い・体をこするなどのサインがそろえば病気の線。断定せず該当の治療記事へ
- 特定の1匹がだんだん底に=老化・産卵後の消耗の可能性。水流を弱め静かな環境で支える
- 対処は①水温を測る ②水質を整える ③ゆっくり保温 ④0.5%塩浴の順。全換水・急加温・規定量超の薬は厳禁
底でじっと動かないメダカを見るとドキッとしますが、落ち着いて「水温は?」「餌に反応する?」とたどれば、打つべき手はぐっと見えてきます。ほかの症状とあわせて見分けたいときはメダカの症状辞典ハブから似た症状の記事を、病気が疑わしいときは病気の見分け方から、それぞれの入り口をたどってみてください。色が薄いなら退色の原因、ヒレを畳むならヒレをたたむ原因、体をこするなら体を擦り付ける原因もあわせてどうぞ。































