メダカの体やヒレに、白い砂粒みたいな点がポツポツついている——。よく見るとあちこちに広がっていて、メダカが体を底や水草にこすりつけている。これは「白点病(はくてんびょう)」のサインかもしれません。結論から先にお伝えすると、白点病の正体はウオノカイセンチュウ(白点虫)という寄生虫で、水温を25〜28℃に上げて寄生サイクルを短くしながら、メチレンブルーやグリーンFリキッドでの薬浴+0.5%塩浴を5〜7日続けるのが王道の治し方です。白点病はうつりやすく一気に全滅させることもある一方、仕組みを理解して正しく対処すれば十分に治せる病気でもあります。この記事では、白い点の原因から初期サイン、水温を上げる理由、薬と塩浴の具体的な手順、水草・エビ・バクテリアとの付き合い方、予防までを順番にまとめました。
・白い点の正体はウオノカイセンチュウ(白点虫)という寄生虫。うつりやすく進行する
・治療は水温25〜28℃+メチレンブルー or グリーンFリキッド薬浴+0.5%塩浴を併用
・体表の白点が消えても水中の幼生を叩くため5〜7日は継続。薬浴は別容器(薬浴槽)で



- 体に白い点が出る白点病の正体(ウオノカイセンチュウ)と感染の流れ
- 体をこする・ヒレを畳むなど、薬が要る前の「初期サイン」
- 水温を25〜28℃に上げる理由(寄生サイクルとの関係)
- メチレンブルー・グリーンFリキッド+0.5%塩浴の具体的な治療手順
- 薬と水草・エビ・ろ過バクテリアの関係と、全滅させない初期対応・予防・FAQ
■目次
白点病とは?体の白い点の正体は「ウオノカイセンチュウ」

白点病は、ウオノカイセンチュウ(Ichthyophthirius multifiliis)という繊毛虫(せんもうちゅう)の仲間の寄生虫がメダカの体表やヒレ、エラに寄生して起こる病気です。寄生した虫が体の表面に潜り込んで栄養を吸うため、その部分が直径0.5〜1mmほどの白い点に見えます。これが体じゅうにポツポツ出るので「白点病」と呼ばれます。砂をまぶしたような、塩を振りかけたような見た目が特徴です。
白点病が出やすいのは低水温の時期(春先・秋口・冬)です。これは虫そのものが低温で元気になるからというより、水温が下がるとメダカの免疫力が落ち、発症しやすくなるためと考えられています(白点虫の増殖サイクル自体は、後で説明するとおり水温が高いほど速く回ります)。加えて、季節の変わり目や、外で買ってきた魚・水草から持ち込まれて広がることもよくあります。やっかいなのは非常にうつりやすいこと。1匹に出たと思ったら、数日後には水槽中のメダカに白点が回っている、ということも珍しくありません。だからこそ、見つけたら早く・正しく動くことが大切です。



白点病が「治しやすいけど油断できない」理由
白点病は、仕組みを理解して正しく薬浴すれば治せることが多い病気です。一方で油断できないのは、進行すると体じゅうの白点が増え、エラに寄生されると呼吸困難で死んでしまうからです。白点が数個のうちは元気でも、放置すれば数日で全身に広がり、複数匹が同時に弱る——いわゆる「全滅」が起こり得ます。「治せる病気だけど、放置は許されない」。このバランス感覚が、白点病と付き合うコツです。
白点病は1匹に出た時点で、すでに水槽全体に幼生がいると考えるのが安全です。1匹だけ隔離して終わり、ではなく、水槽全体の水温と環境もセットで見直すのが全滅を防ぐコツ。「まだ1匹だから大丈夫」が一番危険です。


白点病はメダカの病気のなかでも遭遇率が高い代表格です。ほかの病気(尾ぐされ・水カビ・転覆など)との見分けや全体像をつかみたい場合は、メダカの病気 完全ガイドを親ページとしてあわせて読むと、この記事の位置づけがよく分かります。症状から逆引きしたいときはメダカの症状辞典ハブも便利です。
白点病の初期サイン:薬を出す前に気づきたい3つの合図

白点が全身に広がってから気づくのと、点が数個のうちに気づくのとでは、治療の楽さがまったく違います。白点病には「白い点が見える前後」に出やすい行動サインがあるので、これを知っておくと早期発見につながります。


| 初期サイン | どう見えるか | なぜ起こるか |
|---|---|---|
| 体をこすりつける | 底床・水草・流木に体やエラを擦り付ける(フラッシング) | 寄生された違和感・かゆみを取ろうとする仕草 |
| ヒレを畳む | ヒレをピンと張らず、体に畳んで元気がない | 体調不良・ヒレへの寄生による不快感 |
| 白い点が現れる | 体・ヒレに直径0.5〜1mmの白い粒。塩を振った見た目 | 白点虫が体表に潜り込んで栄養を吸っている状態 |
とくに見逃したくないのが「体のこすりつけ(フラッシング)」です。白い点がまだ目立たない段階でも、メダカが底や水草に体をスリスリこすりつけていたら、白点虫が寄生し始めているサインかもしれません。さらにヒレを畳んでじっとしている・食欲が落ちるといった元気のなさが重なったら、白点病を疑って毎日よく観察しましょう。点が出始めたら、できるだけ早く治療に入るのが鉄則です。


なぜ水温を25〜28℃に上げるのか:白点虫の寄生サイクル

白点病の治療でいちばん「なるほど」となるのが、水温を上げる理由です。これは白点虫の生活サイクル(ライフサイクル)を知ると一気に腑に落ちます。じつはこの仕組みこそ、白点病治療の核心です。


白点虫は「体の中」では薬が効かない
白点虫のサイクルは、ざっくり3つの段階に分かれます。
- (1) 寄生期:メダカの体表に潜り込み、白い点として栄養を吸う。この間は体に守られていて薬が効きにくい
- (2) 遊離期(シスト期):成長した虫が体から離れ、底や水草の表面に付いて袋(シスト)を作り、その中で分裂・増殖する
- (3) 遊走子(幼生)期:袋から大量の幼生(遊走子)が泳ぎ出し、新しいメダカに寄生しようと水中を泳ぎ回る。この”泳いでいる幼生”こそ薬で叩ける段階
ポイントは、体の中に潜っている白点(寄生期)には薬がほとんど効かないということ。薬が効くのは、(3)の水中を泳いでいる幼生に対してです。つまり治療は「体の白点を直接消す」のではなく、体から虫が離れて幼生が泳ぎ出すのを待ち、その幼生を薬で次々に叩くという時間差の勝負になります。


水温を上げると「薬が効く瞬間」が早く来る
では、なぜ水温を25〜28℃に上げるのか。それは水温が高いほど白点虫のサイクルが速く回るからです。低水温(15℃前後)だと、虫が体から離れて幼生が泳ぎ出すまでに長い日数がかかります。その間ずっと薬を効かせ続けなければなりません。ところが水温を25〜28℃に上げると、サイクルが一気に短縮され、虫が早く体から離れて幼生になり、薬で叩ける段階が早く・たくさんやってくるのです。
つまり水温を上げるのは「虫を弱らせる」ためではなく、「薬が効くタイミングを早く呼び込んで、治療期間を短くする」ためなのです。だから水温管理と薬浴はワンセット。ヒーターでしっかり水温を保ちながら薬を効かせることで、効率よく白点虫を退治できます。
水温を上げるときは1日に1〜2℃ずつ、ゆっくりが原則。いきなり急上昇させると、それ自体がメダカへのショックになります。また高水温は水中の酸素が減るので、エアレーション(ぶくぶく)を必ず併用してください。28℃を超えて上げすぎるのも負担になるので、25〜28℃の範囲をキープします。


白点病の治療手順:水温・薬浴・塩浴を組み合わせる5ステップ

仕組みが分かったら、いよいよ具体的な治療です。白点病の治療は「隔離 → 水温25〜28℃ → 薬浴 → 0.5%塩浴の併用 → 5〜7日継続」の流れで進めます。順番に見ていきましょう。下の手順表をベースに、ひとつずつ解説します。


| 手順 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| STEP1 | 薬浴用の別容器を用意して隔離 | 水草・ろ材・活性炭は入れない |
| STEP2 | 水温を25〜28℃へ(1日1〜2℃ずつ) | ヒーター+エアレーション必須 |
| STEP3 | メチレンブルー or グリーンFリキッドで薬浴 | 規定量を守る・遮光する |
| STEP4 | 0.5%(水1Lに塩5g)の塩浴を併用 | 少しずつ溶かして加える |
| STEP5 | 白点が消えても5〜7日は継続 | 水中の幼生を叩き切るため |
STEP1:薬浴用の別容器に隔離する
まずは薬浴専用の別容器(薬浴槽)を用意します。バケツやプラケースで構いません。ここに病魚を移して治療します。なぜ本水槽でやらないかというと、後で詳しく説明しますが、白点病の薬は水草・エビ・ろ過バクテリアを傷めてしまうからです。本水槽に直接薬を入れると、ろ過の生態系まで巻き添えにしてしまいます。
薬浴槽には水草・流木・ろ材・活性炭を入れないのが鉄則。とくに活性炭は薬の成分を吸い取ってしまうため、入れると薬がまったく効かなくなります。シンプルな容器に、カルキ抜きした水とエアレーション、そしてヒーターという最小構成で治療するのが基本です。


STEP2:水温を25〜28℃に上げる
隔離したら、ヒーターで水温を25〜28℃に上げていきます。先に説明したとおり、これは白点虫のサイクルを早回しして、薬が効く幼生の段階を早く呼び込むためです。冬や室内の低水温環境では、ヒーターとサーモスタットが必須になります。
上げ方は1日に1〜2℃ずつ、ゆっくり。一気に上げるとメダカがショックを受けます。そして高水温では水中の酸素が減るため、エアレーションでしっかり酸素を供給しましょう。水温計でこまめに確認し、25〜28℃の範囲をキープし続けるのがコツです。


STEP3:薬浴はメチレンブルーかグリーンFリキッドで
水温が整ったら薬浴です。白点病に使われる定番の魚病薬は、メチレンブルーとグリーンFリキッドです。どちらも体表に寄生する原因(白点虫・水カビなど)に効く外用の薬で、メダカにも比較的使いやすいのが特徴。水中を泳ぐ白点虫の幼生を叩いてくれます。
使い方の鉄則は「規定量を守る」こと。「早く治したいから濃く」は厳禁で、濃すぎる薬はメダカ自身にダメージを与えます。製品パッケージに書かれた水量あたりの分量を必ず計って入れましょう。またメチレンブルーなどの色素系の薬は光で分解されやすいため、薬浴中は容器を段ボールで覆うなどして遮光すると効果が長持ちします。
白点病・水カビなど体表(外側)の寄生虫・カビにはメチレンブルー/グリーンFリキッド。一方、松かさ病・腹水・尾ぐされなど細菌(エロモナス菌・カラムナリス菌)の症状にはグリーンFゴールド顆粒/観パラD(オキソリン酸)と、守備範囲が分かれます(尾ぐされは細菌性なので抗菌剤系が基本です)。白点病は体表の寄生虫なので、前者が基本です。


守備範囲が分かりやすいよう、代表的な薬を表で整理しました。
| 薬の系統 | 代表的な薬 | 得意な症状 |
|---|---|---|
| 色素系(外用) | メチレンブルー/グリーンFリキッド | 白点病・水カビ病など体表の症状(軽い尾ぐされの初期に補助で使うこともありますが、尾ぐされはカラムナリス菌による細菌性のため、進んだ場合はグリーンFゴールド顆粒など抗菌剤系が基本です) |
| 抗菌剤系 | グリーンFゴールド顆粒/観パラD(オキソリン酸) | 松かさ・腹水などエロモナス菌(細菌・内部)の症状 |
| 塩(補助) | 観賞魚用の塩(0.5%) | 体力サポート・浸透圧の負担軽減(薬と併用) |
STEP4:0.5%の塩浴を併用する
薬浴に加えて、0.5%の塩浴を併用するとメダカの体力サポートになります。塩浴には、メダカが体内の塩分濃度を保つために使うエネルギーを節約させ、弱った体の負担を軽くして自己回復を助ける働きがあります。白点病で弱った体を支える土台として有効です。
濃度は0.5%=水1リットルに対して塩5gが基本。塩は一度にドバッと入れず、少量ずつ溶かして加え、急に濃度を上げないようにします。メチレンブルーやグリーンFリキッドとの併用は一般的に行われますが、製品によって塩との併用可否や注意が異なるため、必ずパッケージの表示を確認してください。使う塩は添加物の入っていない天然塩か、分量の目安が分かりやすいアクアリウム用の調整塩が安心です。
塩浴(0.5%)は「体力サポート・浸透圧の負担軽減」が主目的で、白点虫を直接退治する力は強くありません。薬浴が「白点虫を叩く本命」です。塩浴だけで白点病を治そうとすると効果不足になりがちなので、白点病では薬浴をメインに、塩浴は補助と考えてください。


STEP5:白点が消えても5〜7日は継続する
ここが白点病治療でいちばん挫折しやすいポイントです。薬浴を続けると、体の白点が消えてメダカが元気になってきます。でもここで薬浴をやめてはいけません。なぜなら、体の白点が消えても、水中にはまだ袋(シスト)から泳ぎ出した幼生がたくさん残っているからです。ここでやめると、残った幼生がまた寄生して再発します。
だから体表の白点が消えても、最低5〜7日は薬浴を継続して、水中の幼生を叩き切るのが鉄則です。白点虫のサイクルが一周し終わるまで薬を効かせ続けることで、ようやく根絶できます。途中で水換えをするときも、同じ濃度・同じ水温の薬水で行い、薬が薄まらないよう注意します。「見た目が治った=完治」ではなく、「サイクルを叩き切るまでが治療」と覚えておきましょう。


薬浴のもっと詳しいやり方や薬の選び方は、メダカの薬浴のやり方・薬の選び方にまとめています。複数の病気で共通して使える知識なので、白点病以外でも役立ちます。
薬と水草・エビ・ろ過バクテリアの関係

白点病の治療でよく出る疑問が、「水草やエビ、ろ過バクテリアはどうすればいいの?」です。これは全滅を防ぐうえでも大事なポイントなので、しっかり押さえておきましょう。


エビ・水草は薬で傷むので「別容器」で薬浴する
メチレンブルーやグリーンFリキッドといった魚病薬は、エビ(ミナミヌマエビ・ヤマトヌマエビなど)に対して強い毒性を持ちます。本水槽に薬を入れると、エビが死んでしまうことがほとんどです。また水草も薬や塩で枯れたり溶けたりすることがあります。だからこそ、治療は病魚だけを別容器(薬浴槽)に移して行うのが基本なのです。エビや水草を巻き添えにしないために、本水槽への直接投薬は避けましょう。
ろ過バクテリアも薬でダメージを受ける
もうひとつ忘れがちなのがろ過バクテリアです。ろ材やフィルターに住み着いて水質を支えているバクテリアも、薬の影響でダメージを受けます。本水槽に薬を入れてしまうと、ろ過のバランスが崩れて、治療後に水質悪化(アンモニア・亜硝酸の上昇)を招くことがあります。これも「薬浴は別容器で」を守る大きな理由です。薬浴槽にはろ材を入れず、エアレーションと毎日の水換えで水質を保つのが基本になります。
白点虫は本水槽の水中にも幼生がいるため、本水槽側も水温を上げる(25〜28℃)とサイクルが早回しになり、宿主(メダカ)がいなければ幼生は寄生先を見つけられず自然に減っていきます。本水槽の魚をすべて薬浴槽に移し、本水槽は数日〜1週間ほど魚を入れずに高水温で空回しすると、虫が宿主を見つけられず減少します(リセットの考え方)。


全滅させない初期対応:1匹に出たらすぐやること

白点病はうつりやすいので、初動が群れ全体の運命を分けます。「白点を1匹に見つけた」その瞬間にやるべきことを整理しておきましょう。落ち着いて、順番に動けば大丈夫です。

初期対応のチェックリスト
- □ 他のメダカも全身をよく観察(隠れた白点・こすりつけがないか)
- □ 薬浴用の別容器を用意(ろ材・活性炭・水草は入れない)
- □ 水温を1日1〜2℃ずつ25〜28℃へ(エアレーション併用)
- □ メチレンブルー or グリーンFリキッドを規定量で投薬・遮光
- □ 0.5%(水1Lに塩5g)の塩浴を補助で併用
- □ 餌は控えめに(食べ残しで水を汚さない)
- □ 白点が消えても5〜7日は薬浴を継続
- □ 本水槽も水温を上げる/必要なら一時的に魚を抜いて空回し
このリストの順番どおりに動けば、慌てず初期対応ができます。とくに大事なのは「1匹に出たら、ほかのメダカも全部チェックする」こと。白点病は1匹だけで終わることは少なく、ほぼ確実に水槽全体の問題として広がっています。早い段階で全体を治療に切り替えるほうが、結果的に全滅を防げます。


やってはいけないNG行動
初期対応で避けたいNGも知っておきましょう。(1) 様子見で放置する——うつりやすい病気なので、放置するうちに全身・全匹へ広がります。(2) 薬を本水槽に直接入れる——エビ・水草・ろ過バクテリアを巻き添えにします。(3) 薬を規定量より濃くする・複数を勝手に混ぜる——濃すぎる薬や相互作用で、弱ったメダカにとどめを刺してしまいます。(4) 白点が消えた瞬間に薬浴をやめる——水中の幼生が残っていて再発します。この4つは「良かれと思って」やりがちなので、先に頭に入れておいてください。

白点病の予防:持ち込ませない・弱らせない

治療と同じくらい大事なのが予防です。白点虫は外から持ち込まれることが多いので、入り口を塞ぐことと、メダカを弱らせない環境づくりが二本柱になります。


新しいメダカ・水草は「いきなり本水槽に入れない」
白点病の最大の侵入経路が新しく迎えたメダカや水草・流木からの持ち込みです。お店では問題なく見えても、白点虫の幼生がついていることがあります。そこでおすすめなのがトリートメント(一時隔離)。新入りはいきなり本水槽に入れず、別容器で1〜2週間ほど様子を見て、白点や異常が出ないか確認してから合流させます。水草も、しばらく別バケツでキープしてから入れると安心です。ひと手間ですが、これだけで持ち込みリスクが大きく下がります。
水温の急変を避け、メダカを弱らせない
白点虫は、メダカが弱っているときに発症しやすくなります。とくに季節の変わり目(春先・秋口)の水温の乱高下は体力と免疫を落とし、白点病の引き金になりがちです。屋外飼育では水温が急に変わらないよう、水量を確保したり置き場所を工夫したりして安定させましょう。日々の水質管理・適量の餌・過密を避けることも、メダカの体力を保ち、白点病をはじめとした病気の予防につながります。飼育環境の基本を見直したいときは、症状から逆引きできるメダカの症状辞典ハブもあわせて活用してください。


白点病とよく似た症状との見分け方

「体に白いものがついている」病気は白点病だけではありません。水カビ病や、稚魚に出やすい別の症状と紛らわしいことがあるので、見分けのポイントを押さえておきましょう。誤って違う薬を使わないために大事です。


| 症状 | 見た目 | 原因・対処 |
|---|---|---|
| 白点病 | 直径0.5〜1mmの白い粒・点。塩を振った見た目 | ウオノカイセンチュウ(寄生虫)。水温上げ+色素系薬浴+塩浴 |
| 水カビ病 | 患部に白い綿(ワタ)状のふわふわが付く | 水カビ(傷からの二次感染)。色素系薬浴+塩浴。患部は無理に剥がさない |
| 松かさ病 | 鱗が逆立ち松ぼっくり状に膨らむ(白い粒ではない) | エロモナス菌(細菌)。抗菌剤系(グリーンFゴールド/観パラD)+塩浴 |
見分けの最大のコツは「粒(点)か、綿(ふわふわ)か」です。砂粒のような白い点なら白点病、ティッシュをほぐしたような白い綿なら水カビ病の可能性が高いです。水カビ病についてはメダカの水カビ病の治し方、松かさ病・立鱗についてはメダカの松かさ病・立鱗の治し方で、それぞれの治療を詳しく解説しています。鱗が膨らむのではなく目が飛び出している場合はメダカのポップアイの治し方、お腹が膨らんでいる場合はメダカの腹水病の治し方もチェックしてみてください。


メダカの白点病のよくある質問(FAQ)

Q1. 薬を入れたのに、なかなか白点が消えません。失敗ですか?
A. 失敗ではありません。薬は「体に潜っている白点」には効かず、「体から離れて水中を泳ぐ幼生」に効きます。だから薬を入れてもすぐには点が消えません。体の白点は、虫が自然に体から離れるまで残るのが普通です。水温を25〜28℃に保ち、規定量の薬浴を続ければ、サイクルが回るにつれて新しい点が出なくなり、やがて消えていきます。焦らず5〜7日は継続してください。
Q2. 塩浴だけで白点病は治りますか?
A. 白点病では、塩浴だけでの完治は難しいことが多いです。0.5%の塩浴は体力サポートや浸透圧の負担軽減には役立ちますが、白点虫を直接退治する力は強くありません。白点病はメチレンブルーやグリーンFリキッドの薬浴をメインに、塩浴を補助で併用するのが基本です。「塩浴を始めたけれど白点が増えていく」なら、薬浴へ切り替える(併用する)サインです。
Q3. ヒーターがありません。水温を上げないとダメですか?
A. 水温を上げたほうが、治療が早く・確実になります。白点虫のサイクルは高水温で短縮されるため、25〜28℃をキープできると薬が効くタイミングが早く来ます。低水温のままだとサイクルが長く、治療に時間がかかり再発もしやすくなります。屋内でヒーターが使えるなら、サーモ付きのものを1台用意すると治療がぐっと楽になります。上げるときは1日1〜2℃ずつ、エアレーション併用で。
Q4. 白点が消えました。もう薬浴をやめていいですか?
A. まだやめないでください。体の白点が消えても、水中にはシストから泳ぎ出した幼生が残っていることが多く、ここでやめると再発します。白点が見えなくなってからも5〜7日は薬浴を継続して、水中の幼生を叩き切るのが鉄則です。「見た目が治った」ではなく「サイクルを叩き切るまで」が治療と覚えておきましょう。
Q5. 本水槽のエビや水草はどうすればいいですか?
A. 薬はエビ・水草・ろ過バクテリアを傷めるため、本水槽に直接入れないでください。治療は病魚を別容器(薬浴槽)に移して行います。薬浴槽にはろ材・活性炭・水草を入れません(とくに活性炭は薬を吸着して効かなくします)。本水槽側は、魚を抜いて水温を上げて空回しすると、宿主のいない幼生が減っていきます。エビや水草を守るためにも「薬浴は別容器」が原則です。
Q6. 1匹だけ白点が出ています。その1匹だけ隔離すれば大丈夫?
A. 1匹だけの問題ではない可能性が高いです。白点虫の幼生は水中を泳いで広がるため、1匹に出た時点で水槽全体に幼生がいると考えるのが安全です。その1匹を隔離しても、本水槽に残った幼生がほかのメダカに寄生して次々に発症することがあります。ほかのメダカも全身をよく観察し、必要なら水槽全体を治療に切り替える判断が、全滅を防ぎます。
Q7. どのくらいの期間で治りますか?
A. おおむね1週間〜10日ほどが目安です。水温25〜28℃をキープして規定量の薬浴を続ければ、数日で新しい白点が出なくなり、体の白点も少しずつ消えていきます。ただし白点が消えてからも5〜7日は継続するので、トータルでは1週間以上かかると見ておくと安心です。低水温のままだとサイクルが長引き、もっと時間がかかります。
Q8. 治療中の餌やりや水換えはどうすればいい?
A. 餌は控えめにします。弱っているうえに薬浴槽はろ過がないので、食べ残しが水を汚しやすいためです。水換えをするときは、同じ濃度の薬水・同じ水温で行い、薬が薄まらないようにします。色素系の薬は光で分解されやすいので、薬浴中は遮光すると効果が長持ちします。判断に迷うときは、症状の写真を持って観賞魚を扱うショップに相談するのも有効です。


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まとめ:白点病は「水温」と「継続」で治す寄生虫の病気

最後に要点をまとめます。
- 白い点の正体はウオノカイセンチュウ(白点虫)という寄生虫。うつりやすく、放置すると全滅もある
- 初期サインは体をこすりつける・ヒレを畳む。白点が見える前でも要警戒
- 水温を25〜28℃に上げるのは、白点虫のサイクルを早回しして薬が効く幼生の段階を早く呼び込むため
- 治療は別容器に隔離 → 水温25〜28℃ → メチレンブルー or グリーンFリキッド薬浴+0.5%塩浴。塩は1Lに5g
- 白点が消えても5〜7日は継続。薬はエビ・水草・バクテリアを傷めるので別容器で。活性炭は薬を吸うので入れない
体に白い点がポツポツ出ると不安になりますが、白点病は仕組みを理解して、水温を上げ、規定量の薬浴を最後までやり切れば、十分に治せる病気です。「見た目が治った」で油断せず、サイクルを叩き切るまで継続するのが成功の鍵。ほかの症状と合わせて見分けたいときはメダカの症状辞典ハブから似た症状をたどり、病気全体の地図がほしいときはメダカの病気 完全ガイドを入り口にしてください。薬の選び方や薬浴の基本はメダカの薬浴のやり方・薬の選び方、白い綿が付く症状ならメダカの水カビ病の治し方が役立ちます。































