「本は好きなのに、全然読み終わらない」「積ん読が山のようになってる」「仕事のインプットが追いつかない」
これ、全部かつての私のことです。

結論から先に言います。読書スピードは、トレーニングで確実に上げられます。そして「速く読む」ことと「内容を理解する」ことは、ちゃんと両立できます。
私が実践した結果、月2冊だったのが月20冊に増えました。特別な才能は要りません。「読み方の習慣」を変えるだけで、誰でも同じ変化を起こせます。
この記事では、私が実際に試して効果があった速読術を10個、失敗談も含めてまとめています。


- 読書スピードを上げる10の具体的な技術
- 「速読=理解できない」が間違いな理由
- 全部読まなくていい「目的読書・選択読書」の実践法
- 電子書籍の設定で読書速度が変わる理由
- 読んだ内容が頭に残るアウトプット術
■目次
速読の落とし穴:まず「間違った速読」を捨てる
まず最初に、私がやらかした失敗から話します。



よくある「速読法」の問題は、「目を速く動かす訓練」だけして、「何を読むか・どう読むか」を変えていない点にあります。どんなにページをめくる速度を上げても、読み方の土台が変わらなければ結果は出ません。
本当の速読は、次の2つの変化が組み合わさったものです。
| 間違った速読 | 正しい速読 |
|---|---|
| 目だけを速く動かす | 「何を読むか」を選択する |
| 全部読もうとする | 目的に応じて読む量を決める |
| 頭から1文字ずつ読む | 構造を把握してから読む |
| 内容を覚えようとしながら読む | まず流れを掴んでから深掘り |

速読術1:黙読を徹底する(音読を完全に止める)
最も即効性があった改善がこれです。


サブボーカリゼーションとは
「さ・ぶ・ぼ・か・り・ぜ・ー・し・ょ・ん」と頭の中で読んでいるとき、人が話す速度(1分間に約400〜600字)の制限を受けます。これが黙読のくせに「遅い」原因の多くを占めています。
日本語の場合、目で認識できる速度は音読の5〜8倍とも言われています。頭の中の音読をやめるだけで、理論上は大幅にスピードが上がります。
サブボーカリゼーションを減らす3つの方法
- 口を少し動かしながら読む:声帯を使わせることで頭内の音読を抑制する(パラドックスですが効果あり)
- 数字を心の中で数えながら読む:1、2、3と数えながら文字を目で追う。音読リソースを占有させる
- 少し早めに目を動かす意識を持つ:頭の中の音読が追いつかないスピードで目を動かす練習

サブボーカリゼーションを完全にゼロにする必要はありません。難しい論文や法律文書は音読に近い精読が有効。「ここは飛ばしていい箇所」と「ここは精読する箇所」を使い分けることが大切です。
速読術2:目的読書で「読む前に何を得たいか」を決める


目的読書とは、「この本から何を得たいのか」を読む前に明確にするアプローチです。
目的読書の手順
Step 1: 目的を1文で書く
「この本を読む目的は、〇〇を知ること」「〇〇の問題を解決するため」
Step 2: 目次を5分かけて丁寧に読む
目次は本の「地図」です。目的に関係ありそうな章だけピックアップします。
Step 3: 関係ある章だけを読む
300ページの本でも、自分の目的に関係する章が4章だけなら、その4章だけを読む。

| 読書スタイル | 300ページ本の読む量 | 読了時間の目安 |
|---|---|---|
| 全ページ精読 | 300ページ | 10〜15時間 |
| 目的読書(半分) | 150ページ | 3〜5時間 |
| 目的読書(重要章のみ) | 60〜80ページ | 1〜2時間 |


速読術3:スキャニング・スキミングで構造を掴む
スキャニングとスキミング、似ているようで違います。
スキャニングとスキミングの違い
スキャニング:特定の情報を「探す」ための読み方。辞書や索引を使うイメージ。「この本に〇〇という情報はあるか?」を確認するとき使う。
スキミング:全体の概要を「掴む」ための読み方。見出し・太字・リード文・まとめだけを読んで、章全体のエッセンスをつかむ。

実践的なスキミングの順序
- カバー・帯を読む(著者の主張の要約がある)
- 目次を全部読む(構成を把握)
- 各章の最初と最後の段落だけ読む(導入と結論を掴む)
- 太字・リスト・囲み記事を全部読む(重要情報の抽出)
- 気になった箇所だけを精読する


スキミングはすべての本に向いているわけではありません。小説・詩集・哲学書など、文章の流れ自体に価値がある本は精読が向いています。ビジネス書・実用書・自己啓発書がスキミングの主な対象です。
速読術4:見出し・結論から先に読む(逆読み法)

多くのビジネス書・実用書は「PREP法」(結論→理由→例→結論)で書かれています。つまり、まとめだけ読めば要点がわかる構造になっています。
逆読みの具体的なやり方
1. まず章末の「まとめ」「ポイント」を読む:その章で何を言いたいのかが先にわかる。
2. 次に各H2・H3の見出しだけを全部読む:「どういう論理展開で結論に至るか」の流れが見える。
3. 最後に本文を(必要な部分だけ)読む:もう地図を持っているので、どこを読めばいいかが明確。


日本語の本の場合、1章のまとめと見出しだけで、その章の内容の7〜8割が把握できます。残りの2〜3割を本文で深掘りするイメージで読むと、驚くほど速く読めます。
速読術5:固視点移動で「目の動かし方」を変える
速読を体系的に学ぶ


人の目は、文字を読むとき「滑らかに動く」のではなく「ストップ→ジャンプ→ストップ」を繰り返しています。この「ストップ」の回数を減らすことが、速読の本質的なアプローチの一つです。
固視点移動トレーニングの実践
基本の練習(1ページ2固視):文章の「中央やや左」と「中央やや右」の2点だけに目を止め、両端の文字は周辺視野で読む意識を持つ。
例えば「この記事を読んでいただいている皆さんへ」という文なら、最初は1文字ずつ読むところを「この記事を読んで」「いただいている皆さんへ」の2か所に目を止めて読む訓練をします。
| 段階 | 固視点の数 | 目安の読み速度向上 |
|---|---|---|
| 普通の読み方 | 8〜12点/行 | 基準 |
| 初級 | 4〜6点/行 | 1.5〜2倍 |
| 中級 | 2〜3点/行 | 2〜3倍 |
| 上級 | 1点/行(ページ全体) | 5倍以上 |



速読術6:選択読書で「読む本の数」を絞る


月20冊を読んでいる人が全員「読むのが速い」わけではありません。多くの多読家が実践しているのは「本の取捨選択の速さ」です。
本の選択を速くする3つの判断基準
判断基準1:今の自分の課題に直結しているか
「面白そう」は読書の動機として弱い。「今月、この問題を解決したい」という具体的な課題に紐づく本を選ぶ。
判断基準2:読み始めて15分で続けるか判断する
最初の15分でピンとこなければ、その本は「今じゃない本」。罪悪感なく止める勇気を持つ。
判断基準3:同じテーマの2〜3冊をセットで読む
1テーマ1冊より、複数の本を並行して読むほうが理解が深まり、かつ速く読める(重複部分を飛ばせるから)。

「最後まで読まなければいけない」という思い込みを捨てるだけで、読書速度は実感として2倍以上になります。読書は試験ではありません。
速読術7:読書環境を最適化する
環境の最適化で、読書スピードは思った以上に変わります。これは正直、最初は軽視してたポイントでした。
読書環境を最適化する


電子書籍の最適設定
フォントサイズ:少し小さめに設定する。1画面に多くの文字を表示できるほど、目の移動が少なくなる。ただし、疲れない範囲で。
行間:標準より少し広め(1.3〜1.5倍)が最も読みやすいとされています。狭すぎると行を見失い、広すぎると視線の移動が多くなる。
ページ送り方向:横スクロール(ページ送り)より縦スクロールのほうが速く読める人が多い。設定で変更できるアプリは試してみる価値あり。
バックライトの輝度:目の疲れが速度に直結します。夜は輝度50%以下+ウォームカラー設定で目の疲れを抑える。

紙の本 vs 電子書籍:速読に向いているのは?
| 観点 | 紙の本 | 電子書籍 |
|---|---|---|
| 目の疲れ | 少ない | 設定次第 |
| 持ち運び | 1冊のみ | 複数冊可能 |
| フォント調整 | 不可 | 自由に変更可 |
| マーカー・メモ | 自由だが整理しにくい | デジタル整理が楽 |
| 速読向き | △(変更不可) | ◎(環境最適化できる) |

速読術8:音声読み上げ・倍速再生を活用する


Audibleやオーディオブックジャパンなどのオーディオブックを、1.5〜2.0倍速で聴くのは現代の速読術の一つです。
音声読み上げの具体的な使い方
電子書籍の読み上げ機能:KindleアプリはiPhone/Androidで「読み上げ機能」が使えます。設定→読み上げ→音声を選択するだけ。
オーディオブックの倍速設定:Audibleは0.5〜3.5倍速まで調整可能。最初は1.25倍→慣れたら1.5倍→2.0倍と段階的に上げるのが長続きするコツです。

オーディオブックは全ての本が対応しているわけではありません。ベストセラー・著名人の著作が多い傾向あり。Audibleは30日間無料体験ができるので、まず試してみるのがおすすめです。
速読術9:内容をアウトプットして記憶定着と読書速度を両立する
内容をアウトプットする


「読んで終わり」にすると、内容の定着率が非常に低くなります(エビングハウスの忘却曲線では、1日後に74%忘れると言われています)。読んだ後に30分でも要約するだけで、記憶定着率が劇的に上がります。
速読と相性の良いアウトプット3選
1. 3行要約メモ:読後に「この本で最も重要な3つのこと」を3行でメモする。シンプルだが強力。NotionやObsidianにデジタルで蓄積すると、後から検索できる。
2. SNSへの投稿:Twitterやブログに「読んだ本のまとめ」を投稿する。他人に見られることへの意識が理解を深め、記憶を固定する。
3. 誰かに話す(ラバーダック法):読んだ内容を誰かに話す(または独り言で話す)だけで、理解の穴が見つかり記憶が強化される。

アウトプット前提で読むと、「要点を掴もう」という意識が働き、自然とスキミングのような読み方になります。つまりアウトプット習慣が速読を促進します。
速読術10:多読習慣を作る「読書の仕組み化」

月20冊読む人の「読書の仕組み」
読書時間を「固定」する:「時間があれば読む」では続きません。「朝起きてすぐ20分」「就寝前15分」のように、固定した時間に読書を組み込む。
本を「手に取れる場所」に置く:Kindleをベッドサイドに、文庫本をトイレに、電子書籍をスマホのホーム画面に。摩擦をゼロにする。
読書タイマーを使う:25分読む→5分休憩のポモドーロ方式。「25分で何ページ読めたか」を記録すると、速度の成長が見える化されてモチベーションになります。


読書量を増やした私のルーティン(before/after)
Before(月2冊時代)
- 気が向いたときだけ読む
- ベッドで読んで3ページで眠る
- 本が積ん読になっていく
- 読んでも内容を覚えていない
After(月20冊時代)
- 朝6:30〜7:00 読書(固定)
- 通勤電車でAudible(1.5倍速)
- ランチ後15分 読書
- 読後30秒で3行メモをNotion記録

よくある質問(FAQ)
Q1. 速読すると理解できなくなるのでは?


ただし、法律・医学・技術書など正確さが必要な読み物は精読が向いています。速読の適用範囲を意識することが大切です。
Q2. 速読を身につけるまでに何ヶ月かかりますか?
個人差はありますが、目的読書・スキミング・逆読みは習慣化に2〜4週間かかる程度です。固視点移動などの視覚トレーニングは2〜3ヶ月を目安にしてください。どれか一つを選んで始めるのがおすすめです。

Q3. 電子書籍と紙の本、どちらで速読トレーニングをすればいいですか?
速読トレーニングには電子書籍が向いています。フォントサイズ・行間・輝度を自分に合わせて調整できるため、最適環境を作りやすいです。固視点移動の訓練は、文字が大きすぎず行間が広すぎない設定で行うと効果が出やすいです。
Q4. 子どもに速読を教えることはできますか?
目的読書・スキミングは小学校高学年から実践可能です。ただし、固視点移動などの視覚トレーニングは眼の発達段階に影響する可能性があるため、中学生以上での実践を推奨します。基本的な速読習慣(まず目次を読む、まとめを先に読む等)は小学生でも有益です。
Q5. Kindle UnlimitedとAudibleを併用するとどうなりますか?

Kindle Unlimited(月980円)+ Audible(月1,500円)の合計月2,480円で、月に何十冊でもアクセスできます。月20冊を紙の本で買うと3〜5万円かかることを考えると、コストパフォーマンスは圧倒的です。
Q6. 読んだ内容を忘れないようにするにはどうすればいいですか?
「読後30秒メモ」が最もシンプルで効果的です。読み終わったらすぐに「この本で一番大事だと思ったこと」を1文だけメモする。これを積み重ねることで記憶が定着し、後から参照もできます。

Q7. 仕事が忙しくて読書時間が取れません
「まとまった時間がないと読書できない」という思い込みを外しましょう。5分の隙間時間でも、スマホでKindleを開いて数ページ読める。通勤電車20分×往復、ランチ後10分を読書に充てると、1日で50分以上の読書時間が生まれます。

Q8. おすすめの速読トレーニングアプリはありますか?
「Spreeder」(英語)や「速読日本語版」など専用アプリもありますが、まずはアプリより「読み方の習慣」を変えることを優先してください。アプリはモチベーション維持には有効ですが、習慣なしでは効果が限定的です。
暮らしに役立つおすすめアイテム
本記事で紹介した内容に関連する、暮らしを豊かにするおすすめアイテムをピックアップしました。
まとめ:速読は「速く読む」ではなく「賢く読む」技術

今回ご紹介した10の速読術を、もう一度まとめます。
- サブボーカリゼーションを減らす:頭の中の音読をやめる
- 目的読書で「何を得たいか」を決める:読む前に1文で目的を書く
- スキャニング・スキミングで構造を掴む:地図を持ってから読む
- 見出し・結論から先に読む(逆読み法):まとめを先に読む
- 固視点移動の訓練:1行2〜3点への視点集約
- 選択読書で本の取捨選択を速くする:15分ルールで判断
- 電子書籍の設定を最適化する:フォント・行間・輝度調整
- 音声読み上げ・倍速再生を活用する:隙間時間で聴書
- アウトプット前提で読む:3行メモ・SNS投稿
- 読書を「仕組み化」する:時間固定・環境整備


月2冊だった私が月20冊に増えたのは、特別な才能があったからではありません。「全部読まなければいけない」「最初から最後まで順番に読まなければいけない」という思い込みを捨てただけです。
読書は義務ではありません。あなたのペースで、あなたの目的のために、本の力を活用してください。

関連記事もぜひ読んでみてください。





























